2008年度理学部地球科学系オープンキャンパス

2008年7月30日(水)・31日(木)

   昨年のテーマは「天気図を作ろう」ということで梅雨期の天気図について説明を行いましたが、



今年は

   「大気大循環〜回転水槽実験〜」

 
という新しいテーマに取り組みました。  


  opc2007-1     写真手前に見えるのが、手作りの実験装置です。       
    

  2008-07        2008-01     

  opc2008-8        opc2008-4     




この実験は、赤道域と極域の温度差により生じる、中緯度での偏西風波動の蛇行を再現しようというものです。


簡単に装置の説明をします。


この装置は、3層に分かれており、内側から順に「氷水」、「常温の水」、「熱湯」を入れます。

これは地球を、北(南)極点の上空から見たものに相当していて、それぞれ「極」、「中緯度地帯」、「赤道」に対応させています。

また、地球は自転をしているので、この装置をモーターで回転させます。

この回転水槽の実験では大きく、「南北(内側と外側)の温度差」と「回転」の2つの要素によって、中緯度大気の循環を再現しています。
(実際の地球とは、緯度によるコリオリの力の変化や、地表面の摩擦の変化(海洋、大陸、山地など)、といったような違いがあります)


このとき、中緯度地域の大気を示す「常温の水」の層では、どのような動きをしているのかを調べようというものです。

  opc2008-2 対流の様子を可視化するために、墨汁を用いました。        opc2008-6 波数4     

  opc2008-5 波数5        opc2008-3 分かりづらいですが、これは波数7     
このように、綺麗に蛇行の様子を見ることが出来ました。
ちなみに波数は、温度差や回転速度などの違いで違ってくるようです。



今回のオープンキャンパスでは、大盛況だと言われた昨年を、さらに500人ほど上回る人出だったようです。
オープンキャンパスに来てくれた方は、仙台をはじめ、東北地方、関東地方、さらには岐阜や岡山といった遠くからも来てくれていて、高校生の大学への熱意を感じました。
そういったものに直に触れることで、(忘れかけていた?)「初心」を取り戻したような気分です。


最後になりましたが、気候ゼミの1大イベントであるオープンキャンパスを成功のうちに終わらせることが出来たのは、試行錯誤を何度も繰り返し、装置を完成へと結びつけた坂下さん及び鶴島君、夜遅くに会場設営を手伝ってくれたヨンメイさん、当日分かりやすい説明をしてくれた若松君および4年生の皆さんの協力があったおかげです。 ここに記して深く感謝するしだいであります。





おまけ

  
今年もつくりました。今回の作品は「対流性降雨と文明〜空へはばたけ〜」です。
  
文責:やぎ

  
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