シェープファイル変換ソフトshp2gmtの使い方

1.何ができる?

 GISなどで使われるシェープファイルをGMTで読み込みやすい形式に変換できる。
行政界や河川・道路などのデータはシェープファイルとして多く存在するので、より詳細な地図をGMTで描きたい場合に有効である。
 なお、shp2gmtは人文の山本健太さんから教えていただいたので、わからないことはやまけんさんorドクターのさかしーに相談してみてください。

2.実際にやってみる

 ここでは、試しにESRIジャパン社のwebサイトから日本の市町村界データをとってきて、GMTで市町村界つきの日本地図を描く手順を紹介します。 他にも計算機室やインターネットで「shp ダウンロード」などと検索すればデータが見つかります。

(1)自分のパソコンにshp2gmtを入れる。

 shareのclimateフォルダから"shp2gmt"フォルダをコピーして、自分のパソコンに貼りつける(ここでは例として、Cドライブに貼りつけます。

(2)データをとってくる

 まず、ESRIジャパン/全国市町村界データのwebサイトへ。

   最新版の"japan_ver62.zip"をダウンロードする(平成の大合併前のデータがほしい場合は過去のバージョンを利用する)。
 クリックしてディスクに保存→圧縮ファイルなので解凍する。

 解凍したフォルダ「japan_ver62」を開いてみる。

 この中のファイルのうち、japan_ver62.shp(位置情報のファイル)、japan_ver62.dbf(属性を記述したファイルでExcelで開ける)、japan_ver62.shx(.shpと.dbfを結びつけるファイル) の3つを使います。シェープファイルは多くの場合、この3種類のファイルから成り立っています。これらを(Cドライブの)shp2gmtフォルダにコピペしておきます。

(3)シェープファイルをテキスト形式に変換する

 コマンドプロンプトを起動(メニューのアクセサリの中にペイントなどと一緒に入っている)し、shp2gmtにディレクトリを移動する。
"cd ../../shp2gmt" と入力する。
"dir/w"で中を見て、"japan_ver62.shp"、"japan_ver62.dbf"、"japan_ver62.shx"の3つのファイルが入っていることを確認する。



☆ここで使うコマンド☆
コマンド 意味
cd 今いるディレクトリを移動する
dir/w ディレクトリ(フォルダ)の中をみる(UNIXコマンドのlsみたいなもの)
shp2gmt shp2gmtを実行する
exit コマンドプロンプトを閉じる

 コマンドで
"shp2gmt japan_ver62.shp > data1.dat"
と入力し実行する。 出力ファイル名はなんでもOKですが、ここでは"data1.dat"にします。

 すると、shp2gmtフォルダに"data1.dat"というテキスト形式のファイルが出力される。

 これをメモ帳などで開くと次のようになっている。

 GMTで読み込むためにはファイルを

X1Y1
X2Y2
・・・・・・
XnYn
> 
Xn+1Yn+1
・・・・・・

 のように1つのセグメント(部分)を">"で区切った形式にするがある。 したがって、">"以下の"Shape # 2 (Polygon) nVertices=8, nParts=1"など必要ない部分を削除する編集作業を行う。 そのために、Excelでこのファイルをスペース区切りで読み込む。
 ※この場合(data1.dat)は行数が多すぎてExcelで全体を読み込めなかったので、3分割したファイルを作成してからそれぞれ編集を行い、あとでまたくっつけました。

D列からG列まではいらないので、削除する。">"に続く"Shape"と"#"もいらないので、置換で消します(次図)。不要な部分を消したら上書き保存します。


 編集後の"data1.dat"はこんな感じです↓(ファイルの先頭にある一番最初の">"は消します)



(4)変換した市町村界データを利用してGMTで図を描く

 ようやくデータの準備ができました。このデータを使ってさっそく市町村界入りの地図を描いてみます。 日本全国図だとぐちゃぐちゃで見にくくなってしまうため、宮城県周辺でやってみましょう。

----- miyagi.csh -----
#! /bin/csh
#宮城県周辺の市町村界入り地図を描く

pscoast -Jm3 -R140.0/142.0/37.6/39.2 -Df -Ba0.5f1g0.5/a0.5f1g0.5/WSen -W8 -P -K > miyagi.ps
psxy data1.dat -Jm -R -W3 -M -O >> miyagi.ps

 例えば、簡単にこんな感じでやってみると次のような図が描けると思います。

 さらに地形データを加えると右のような図も描けます。
→→→→→→→→

 説明が大ざっぱな部分もありますが、作業の流れはこのようなイメージです。
データが豊富なシェープファイルをうまく利用することで、国境や市町村界を描いたり、 小気候の分野でより詳細な地図が描いたりするのに役立ちます。

<おわり>


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